「アート」と聞いて、真っ先に思い浮かべるものは何だろう? 絵画に彫刻、工芸などの美術や建築、音楽、詩、演劇、ダンス......。その世界はとても広くて深く、定義するのが難しい。ひと言で説明できないからこそ、もっと知りたくなる。そこで今回は、さまざまな「アート」に触れることができる本を紹介しよう。
『子どものためのアートブック』
『子どものためのアートブック その二』
音や気持ちをどう絵にする? 消えていく彫刻ってどんなの? 名画から現代美術まで、それぞれ30のアーティストを取り上げ、知的好奇心をくすぐる知識や作品を見るポイントを解説している。子どものころ家にあり、大好きで何度も繰り返し読んだ。有名な美術作品の知識はほとんどこの2冊から学んだと思う。(H)
『アイデアが生まれる、一歩手前のだいじな話』
Mr.ChildrenやOfficial髭男dismなどのアートワークをはじめ、数多くの広告も手がけるアートディレクター・森本千絵さん。本書には、アートディレクターになるための具体的な方法論ではなく、森本さんの「感覚や心の有り様、意識の持ち方」が書かれている。
たとえば、「迷ったら、『希望のある方』を選ぶ」とある。何かを決めるときはいつも、「自分の意志だけでなく、そうせざるを得ない物事に出会うのです」。そして、流れに乗るとなったら乗るしかない。乗る・乗らないを選択できるときは必ず、「明るい方」「希望(はじまり)がある方」を選ぶという。
森本さんの作品の写真も収録されている。アイデア、色、形というものは、眺めているだけでワクワクしてくる。自分の中のクリエイティブな部分が刺激される1冊(M)
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』
目が見えないのにアートを"見る"って、どういうこと?
友人の紹介で全盲の美術鑑賞者・白鳥健二さんと出会った著者の川内さん。一緒に美術館へ通い、白鳥さんに「自分にはどう見えたか」を伝えることで、今まで「見えていたけれど、見えていなかったもの」に気づく。そして、視覚や記憶の不思議、アートの意味、さらには、生きること、障害を持つこと、一緒にいることを深く考察していく。アートの見方が変わる一冊。(N)
紹介記事はこちら→「見える」私たちに「見えていないもの」とは? 『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』が本屋大賞ノンフィクション大賞を受賞
『ダ・ヴィンチ・コード』
トム・ハンクス主演で映画化され、大きな話題となった、ルーヴル美術館を舞台に繰り広げられる人気ミステリー小説。映像作品になっても物語進行の疾走感や登場人物のキャラクター像など、完璧に近い原作の再現度だったように感じる。原作者が映画版のプロデューサーになっていることが影響しているのかも?(O)
『風神雷神 Juppiter, Aeolus』
国宝「風神雷神図屛風」を描いた俵屋宗達は、天正遣欧使節団の一員として、イタリアへ渡っていた?! そこで出会ったのは、あの天才画家だった......! 戦国の日本とルネサンス時代のイタリアを舞台に、圧倒的スケールで描かれる原田マハさんの歴史アート小説。原田さんが、時代考察を重ねたうえで、「想像の翼を思いっきり羽ばたかせて」書いたというストーリーは、どこまでが史実でどこからがフィクションなのか分からなくなるほど。本当にこんなことがあったのかもしれない、とワクワクしながら上下巻を一気に読んだ。(N)
『女王さまのワードローブ イギリス国民に愛されつづける女王エリザベスの物語』
昨年(2022年)、エリザベス女王が亡くなった時、書店に関連書籍が並んでいた中で、ひときわ目を引いた。女王の人生を「服」を通して時代とともにたどる絵本。由緒あるベビードレスにはじまり、王室に代々伝わる宝冠や伝統的なドレス、女王としてのよそおいや帽子コレクションなどが美しいイラストで紹介されている。装丁も美しく、カバーを外すと現れる「女王さまのお気に入り」にも注目。(N)
紹介記事はこちら→エリザベス女王、全身1色コーデの理由は? ワードローブでたどる女王さまの足跡
『テルマエ・ロマエ』
「歴史建築アートマンガ」として読んだ。日本が誇るお風呂文化を、主人公ルシウスが必死に頭を使い、古代ローマの様式美・建築美にコミットさせていく姿は、まさにアートにもがき苦しむ芸術家の姿そのもの。作中の建造物、柱の装飾ひとつを取っても、非常に繊細に描かれているのも注目すべきポイント。(O)
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